デジタル化とディバイド(格差)対策は同時進行で
デジタルに関する施策を進めるときに課題となるのが、デジタル機器を使う人とそうでない人の間の格差、いわゆる「デジタルディバイド」の問題です。
格差(ディバイド)の例 | 対応施策の例 |
機器の操作能力に関する格差 |
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言語に関する格差 |
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経済的な格差 |
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地理的な格差 |
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この格差(ディバイド)問題、上の表にあるように多くの視点から対応が必要な課題ですが、中でもよく議題となるのが高齢者のデジタル機器の操作能力に関する格差問題です。
高齢者の機器操作能力に関する誤解
デジタル化をためらう部署から「手続きをオンライン化しても高齢者の多くは使えないのでは?」という声を聞くことがあります。確かに一理あるのですが、本当にそうでしょうか?
自治体職員として多くのデジタル化に挑戦する中でわかってきたことがあります。
それは
スマホを頑張って使いこなしてみたいと思っている高齢者は意外と多い
高齢者が対象の手続きでもオンライン選択が半数近くになるケースも
本人が使えなくても周囲の人が利用することで間接的に恩恵がある
ということです。
中津市では定期的にスマホ体験講座を開催しています。主にスマホを使ったことが無い方を対象とした講座ですが、申込が多くて抽選になることもしばしば。
参加される高齢者の方々もサポートがあればスムーズに操作できるようになりますし、とても楽しそうに触っているのが印象的です。
国の調査では60歳以上の方のスマホ保有率は80%を超えているとのことなので、「高齢者だからデジタル機器を使わない」とは言えなくなっています。
デジタル化の恩恵は本人以外にも
一方で、デジタル機器をまったく使わない(使えない)方が一定数いるのも事実です。
しかし、そうした方々が対象のサービスでもオンラインの選択肢があると、家族など周りの方が代理で手続きしやすくなるというメリットが生まれます。
アナログの手段しかないことに比べると、デジタル化することでサービスとしては大きく向上することも多いのです。
デジタルは水や電気と同じように暮らしに不可欠なものになってきました。
将来を見据えながら、デジタル化にまずは挑戦し、利用者の意見を聞きながら改善していくことが大事です。
1月のスマホ講座はまなびん館で開催します(お知らせ記事はこちら)